Cate Le Bon、ニューアルバム『Michelangelo Dying』を 9/26 リリース!

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英ウェールズ出身のミュージシャン/プロデューサー Cate Le Bon (ケイト・ル・ボン)、ニューアルバム『Michelangelo Dying』を Mexican Summer から 9/26 リリース!先行シングル「Heaven Is No Feeling」のミュージックビデオを公開しました。感情そのものに導かれて生み出された、Cate Le Bon の7作目のアルバム『Michelangelo Dying』は、彼女自身が当初作ろうとしていた作品を乗っ取るかたちで誕生しました。圧倒的な心の痛みから生まれたこのアルバムでは、「愛」についての作品を書くことへのためらいを感情が上回り、その結果、ある種の “エクソシズム(悪魔祓い)” のようなものとなりました。

この作品には、「癒える前の傷を写真に収めようとするような試み」が鮮やかに現れていますが、その行為自体が同時にその傷をかきむしるようでもあります。音楽的には、彼女の過去2作(2019年の『Reward』、2022年の『Pompeii』)で形作られた「心を持つ機械のようなサウンド」がさらに発展し、自ら演奏・プロデュースするスタイルをより深化させています。ギターやサックスはエフェクターで歪められ、パーカッションや声もフィルターを通して加工され、そこから現れるのは、緑がかった絹のような光沢をもつサウンド。その中に、David Bowie、Nico、John McGeoch、Laurie Anderson といった個性派アーティストたちの面影が、時折水面下から立ち現れてはまた沈んでいきます。

本作に残されたのは、常に変化し続ける連続体――いわば “ソングサイクル” です。それぞれの曲は前曲を映し出し、そこから発展しながら、まるで壊れた鏡の破片のように光を受けてきらめき、角度によっては真実を隠したり、あらわにしたりします。最終的にケイトはこう断言します。

啓示なんてない。結論もない。理由もない。あるのは反復と混沌だけ。私はついに “空っぽの心” を受け入れ、何かの秩序や意味を探すこともなく、そのままを体験することにしたの。

『Michelangelo Dying』は、人生そのもの、愛、そして人間らしさの “生々しさ” に対する試みであり、聴く者にとっても、アーティスト自身にとっても、“抱きしめること/抱かれること/そしてこの上なく、美しく、深く孤独であること” を知る作品です。ケイトは最後にこう締めくくります。

登場人物は入れ替え可能だけど、結局のところ――それは私が、私自身に出会うことだったのよ。

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