アイルランドのシンガーソングライター/プロデューサー Joel Johnston によるプロジェクト Far Caspian、ニューアルバム『Autofiction』を 7/25 リリース!ニューシングル「An Outstretched Hand/Rain From Here To Kerry」のミュージックビデオを公開しました。Far Caspian の Joel Johnston は、新作アルバム『Autofiction』で、自分に与えられた運命を受け入れる術を学びつつある。2021年にクローン病と診断された後、Johnston はそれまでの自分の人生を失った喪失感に囚われ、新たな現実と、それに加えてOCDや不安症との継続的な闘いに苦しんだ。『Autofiction』は、そんな彼が前に進むためのツールを見つけていく作品となっている。
今では、もう自分をその病気で定義することはしていません。「your mind changed from a fear to a song」(「Lough」の歌詞)は、私の自由の表現なんです。慣れてしまった苦しみにもう縛られないということ。すべてを理解しようとするのではなく、そのまま生きて、持っているものに感謝しようと思っているんです。
先行シングル「First Day」のMV公開!
『Autofiction』の歌詞は、メンタルヘルスの重荷や自己許容、回復、支え合うパートナーへの感謝などを深く掘り下げており、これまでで最も直接的かつ日記的、そして文字通りの表現になっている。そのため、彼の作品史上もっともナイーブなリリースとも言える。
ただ、自分の思いをちゃんと伝えたかったんです。これまでは “何を歌っているのかわからない” ってコメントされることもあったけど、もっと伝わるレコードを作りたかった。だから、今回はいつもよりボーカルを大きめにミックスしています。
内なる判断や抑制から自分を解放し、「今、この瞬間を楽しんでいるから、それで十分」というシンプルなモットーで『Autofiction』を書き上げた。このプロセスが、音楽本来の楽しさと、そもそもなぜ音楽を作り始めたのかを再発見させてくれたという。まるで初めて自分のためだけにアルバムを作ったような感覚だった。
2021年のデビュー作『Ways To Get Out』と2023年の高評価セカンド『The Last Remaining Light』の間に、Johnston は自身のレーベル Tiny Library Records を設立。22° Halo や SOMOH、Niall Summerton など、しばしば共作するアーティストたちの音源リリースを手がけた。その後、現在住んでいる英国リーズにレコーディングスタジオを設立し、数々のUKアーティストのプロデュースやミックスも担当している。
これら他アーティストとの仕事はアルバム自体とは直接関係ないものの、『Autofiction』制作の上で非常に重要なステップとなった。Far Caspianのライブは6人編成だが、作品自体は長年Johnston一人でバンドサウンドを作り込んできたため、精神的な負担が大きくなっていた。ストレスとプレッシャーが高まり、プロジェクトをやめようとすら考えたが、Green Gardens や Ellur のアルバムをプロデュースしたことがきっかけで、再び Far Caspian に対する情熱を取り戻すことができた。そしてプロセスそのものを楽しもうという新たな意欲で、これまで作っていたデモを見直し、2025年1月にはアルバムの大部分を完成させた。
『Autofiction』は、Johnston が音楽を作ることへの愛情を再確認したアルバムであり、その新鮮な喜びと誠実さは全曲にあふれている。これまでの期待やプレッシャーを脱ぎ捨て、最も率直で印象的な作品を生み出した。30代の始まりに立ち、プライベートでも同じように前を向いて進みたいと彼は語る。
子どもの頃から『心配性』というラベルを貼られてきました。でもあるとき『それを信じなくていい』『勇敢にもなれるし、必要なら何にでもなれる』と思えるようになったんです。以前より自分の中で少し楽になれた気がします。
『Autofiction』は、恐れではなく希望の中で生きるという選択、そして “流れに身をまかせて楽しむ” ことを選んだ作品だ。