幾千の音が緻密に織り込まれた canooooopy 新作アルバムを 11/29 Virgin Babylon Records よりリリース決定!!

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幾千の音が緻密に織り込まれた canooooopy 新作アルバム 11/29 リリース!すべての曲が100%サンプリング製法、使用機材は初期型 GarageBand のみという特異なものでありながらこれまでメキシコ、アメリカ、イギリスなど世界15カ国よりアルバム、リミックス、コラボ、プロデュースなど様々な形で多くの作品をリリースしてきた。

そして今回ついに canooooopy 自身の初のCDアルバム “百夜を繋ぐ言の千切れ葉 [disconnected words connect the worlds]” が11月29日に Virgin Babylon Records よりリリース決定。幾千の音がこれまで以上に緻密に織り込まれネクストレベルのサンプリング・ミュージックが完成した。

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レーベル通販ではCD予約特典として未発表曲5曲のmp3付き。
夢見騒がしの望郷者 [too long way home]

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ライナーノーツ (by 荻原 梓 Twitter: @az_ogi):
 2012年の末のことである。いつものようにネットで音楽やブログを漁っていたときに偶然見つけたのが「踊る幽霊が1800匹」というブログであった。そのブログには文章は殆ど無く、ネットで公開されている世界中のBandcampのアルバムをただ貼り付けているだけのものであったが、毎日5つ以上も更新されるそのブログのスピード感と、掲載されている作品の持つ得体の知れないパワーに驚いたものであった。単に音源を貼り付けているだけだが、その選別基準の一貫した美学や、謎めいたパーソナリティに私は強い興味を惹かれたのである。

 後にそのブログを運営しているのがcanooooopyと名乗る日本人であり、〈PIR▲.MD Records〉というメキシコのネットレーベルでファーストアルバム『フレイジャーズ・フォリー短篇集』なる作品を公開していると知った。そしてそのファーストアルバムながらも既に完成されている独特の世界観に舌を巻いたのである。ビートはヒップホップを土台にしているが、何よりも驚くべきはそれに乗っかる細かい音粒のサンプリング量である。トラックによっては一曲あたり20以上ものサンプリングソースがあるその楽曲制作過程は実際100%サンプリングであるらしく、彼曰く「作曲はできない」という。普通サンプリングというと原曲の”いいとこ取り”をして要所要所にフックを効かせることが多いが、彼の場合はあくまで彼の世界観を構成する一つの部品でしかない。

そして、パズルのピースのように均等に配置されている。例えばどこかの民族音楽の切れ端にしろ、何かを叩く音にしろ、楽器が奏でるメロディにしろ、どれもその場面の”主役”になることがない。全ての音が絡み合う事無く分離して独立し、好き勝手自由に主張し合っている。時にシリアスに、時にメディテーティヴに、時にコミカルに、コソコソと動いたり消えたりする。それがなんとも不気味に新しく感じたのだ。彼の作る音楽はまさに「踊る幽霊が1800匹」のタイトルそのものであった。

 彼はある時私にこのように語ったことがある。「自分をビートメイカーだと思ったことはない」「ビートミュージックには常々石をぶつけたいと思っている」。あれから2年近く経ったが、ずっとそのスタンスはぶれていない。特にそれを強く感じたのが2013年夏に同レーベルからのリリースとなったセカンドアルバム『蛙のための多形力学 [polymorphism vs valleystayers]』だ。(ちなみに今となっては非常に相性の良いコンビとなったfilmoutによるシュールレアリスム的なアートワークのモチーフや、英題と和題を併記したタイトルといった”canooooopy印”はこの時期からの特徴である。)ビートミュージックの範疇を逸脱しかねない異常な量のグリッチノイズの粒が詰め込まれており、canooooopyの世界観/立ち位置を明確にした作品と言える。

つまり2000年代後半以降10年代にかけて、USの広大な〈Brainfeeder〉以降のビートミュージックの勢力が支持を集めるなか、一方でヨーロッパ大陸で黙々と作り上げられてきた〈raster-noton〉的感性や現行の〈PAN〉のようにノイズすれすれの電子音楽、世界中で密かに盛り上がりつつあるカセットレーベルのシーン(canooooopyはベルギーの〈Urban Waves〉や福岡の〈duennlabel〉からカセットテープでリリースもしている)、或いはMatthewDavid率いる〈Leaving Records〉の歴史と辺境への愛情、もっと言えば、未だに日本で定着しきっていないSNSによる音楽家たちの交流文化、Bandcampの音楽シーン、Soundcloud・・・こうした幾多のアンダーグラウンドなDIYカルチャーがcanooooopyを中心に交錯し、発信されているのだ。これが海外のアーティストであるならまだしも未だにこうした文化が未成熟の日本でやってしまっているというのだから、これはほとんど奇跡としか言いようがない。

 2013年末、日本のエレクトロニカ/ポストロック・シーンの重要な役割を担ってきたworld’s end girlfriendが主宰する〈Virgin Babylon Records〉に所属。それから約一年、待望の”日本デビュー”と言ったところか。アルバムタイトルも非常に思わせぶりな今作。”ガウス”、”仮想平面”、”非可逆”、”復体”、”有機コイル”…と見慣れない言葉が並ぶ。その意味を彼にツイッターで直接聞いてもいいだろうし、ひとりで妄想を膨らませるのも面白いはず。これまでとは違うタイプのリスナーの手にも届くと想像されるため、どんな反応が返ってくるのかも個人的には楽しみだ。何が起こっているか理解できないかもしれないし、心の深い部分で共感できるかもしれない。

ただこれだけは言っておこう。この作品は必ずあなたにとって新しい体験をさせてくれるものとなるのは間違いない。そして、彼の作品が日本からリリースされるということ、それ自体が今現在の混沌とした音楽シーンのもっとも面白い部分を切り取った事件である、と。単なるインディーアーティストのメジャーデビュー例とは全く違う。前例の無い10年代型の新しい音楽家の活動報告である。ぜひ耳をそばだてていただきたい、canooooopyが操る幽霊たちの声に。

tracklist:
canooooopy
“百夜を繋ぐ言の千切れ葉 [disconnected words connect the worlds]”
01: 配管工の帳拭い [pipefitter opens the day]
02: 忍び寄りの逓送員 [viral address stalker]
03: 芥かぶりの海賊たち [pirates of the calibration]
04: 有機コイルの超伝導体 [the innersonic blaster]
05: 混合物のオラトリオ [mono montaged oratorio]
06: 電磁神殿の光線獣 [beamed beast at terminal temple]
07: 沈めた望みと夜鳴きの煌虫 [songs about a sunken hope]
08: 世界記述師の研究室 [laboratory of world-coders]
09: 夢見騒がしの望郷者 [too long way home]
10: 地底都に座すとげ目の亡者 [young lordead of ground nadir]
11: 未来視たちの幻灯樹 [visionary’s magic plantern]
12: 変幻世界の霧めく姉妹 [kaleido world mysty sisters]
13: 復体の列が踏み鳴らす [doppelinedancerstomps]
14: 多角地区での喧噪と転生 [the polygonic spree]
15: 仮想平面の非可逆豹 [jagged jaguar on a frame]
16: ガウスの灰塵 [the phantom of the gauss]
17: 月焼け落ちる海の腹 [the dead moon blues]
18: 裂けゆく次元の金屏風 [drift to the next world]

THIS IS POEMCORE
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