UKウェールズのデュオ The Bug Club、早くもニューアルバム『Every Single Muscle』を 5/29 リリース!

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Photo by Adam Whitemore

UKウェールズ出身のデュオ The Bug Club、早くもニューアルバム『Every Single Muscle』を Sub Pop から 5/29 リリース!先行シングル「Watching the Omnibus」を公開しました。The Bug Club がニューアルバムを携えて帰ってきた。前作からまだわずか7ヶ月。彼らは一体どこにいたのだろう?

先行シングル「Watching the Omnibus」を公開!

通算5作目となるLP『Every Single Muscle』は、2026年5月29日に Sub Pop からリリースされる。ウェールズ出身のこのデュオと、シアトルの名門レーベルにとってはこれで三作目のタッグとなる。2025年6月に発表された『Very Human Features』以降、ノンストップのツアーを続けてきた彼らは、BBC 6 Music や KEXP でもおなじみの存在として、大西洋を行き来する日々を送っていた。夏のフェス出演も重なり、休暇など取る暇もなかった——もっとも、ウェールズに住んでいるなら休暇なんて必要ないのかもしれないが——やがて再びソングライティングの部屋へと戻ることになる。その場所はおそらく、グレイハウンドの Ted が出入りするカルディコットの寝室のままだ(よく聴くと、彼は楽曲のひとつにも登場している)。

これで最初の疑問には答えが出たわけだ。とはいえ、彼らのことだから、本人たちは違うことを言うだろう。ソングライターの Sam(ギター/ボーカル)と Tilly(ベース/ボーカル)は、楽曲「It’s Our Manager David」の中で、自分たちは「何もせずに座っていただけ」だと語る。しかしそれは明らかに嘘だ。アルバムは「Miss Wales 2012」でフルスロットルに幕を開ける。実はこのタイトルにあるコンテストは、Tilly と Sam が本当に優勝したことのあるものだという。真面目な話だ。この曲は2分未満の楽曲が並ぶ本作の先陣を切るものであり、彼ら史上もっともパンク色の強い作品の方向性を示している。

アルバムには、ぎっしり詰め込まれたリフとフックが次々と現れ、「A Good Day For Dying」では Sam がギターソロを入れる許可を求める場面もある。与えられた時間はたった2秒。しかし後半でもう一度チャンスを得る。全18曲を通して、Sam と Tilly のギターの掛け合いは健在で、彼ら自身が語る「自分たちは演奏技術がギリギリ」という自己評価を見事に覆している。

「Full Range of Motion」は Minutemen を思わせる刻みのリズムを持ち、「Make It Count」は甘いメロディとコール&レスポンスを展開。「All My Clothes Fell Off」はスローテンポのバラードとしてクライマックスへと高まり、「Cut To Black」は Sparks 的なファルセットと Neu! を彷彿とさせるリズムを融合させる。ラスト曲「My Uncle Warren Drives A Passat」ではギターの代わりに鍵盤を取り入れるなど、新たな試みも見られる。本作は“効率的なマキシマリズム”の実践とも言える——まるで父親が休暇のために車の荷物を詰め込むように、限られたスペースにあらゆる要素を押し込んでいる。

そして歌詞も重要だ。『Very Human Features』が日常の不条理を描いていたのに対し、『Every Single Muscle』では彼ら自身へと視線が向けられる。ただし内省的というよりは、宇宙人が捕らえた標本を観察するかのような距離感で。ホラー映画に“ボディもの”というジャンルがあるなら、ガレージロックにもそれが誕生したと言えるだろう。人間の身体や存在そのものが様々な角度から観察され、「Look Like Me」では自分の外見を、「How Can We Be Friends」では他者のそれを歌う。「Every Single Muscle」では臓器がまるで買い物リストのように列挙され、「Make It Count」や「Pretty As A Magazine」では、自分の身体を持て余す人間の姿が描かれる。

全体を通して、自分自身から切り離されたようなシュールな感覚と、倦怠感を帯びたユーモアが漂う。ラストでは Sam が「人間でいることに飽きた」と歌う。The Bug Club は、人間という概念そのものを疑っているかのようだ——望まぬコスチュームを着せられ、脱ぐこともできないまま目覚めてしまったかのように。

2016年に Sam Willmett(ボーカル/ギター)、Tilly Harris(ボーカル/ベース)、Dan Matthew(ドラム)を中心に活動を開始した The Bug Club は、2020年に Bingo Records と契約。2021年にデビューシングルを発表し、以降EPやアルバムを次々とリリース。2023年には47曲入りのダブルアルバム『Rare Birds: Hour of Song』を発表するなど、独自の歩みを続けてきた。
アメリカ訪問時に Sub Pop の目に留まり、同レーベルからのリリースを開始。両者のパートナーシップは実りあるものとなり、『Very Human Features』を経て今回の『Every Single Muscle』へと至った。三作目は魔法の数字かどうかは分からないが、この作品は、その可能性を十分に感じさせる内容となっている。

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