フィラデルフィアのシューゲイズ/ノイズロック・バンド NOTHING、待望のニューアルバム『A Short History of Decay』を来年 Run For Cover Records から 2/27 リリース!先行シングル「cannibal world」のミュージックビデオを公開しました。Nothing は常に「ルール破り」のバンドだった。シューゲイズという軽やかで繊細なジャンルを、血の滲むようなアメリカ的イメージで再構築した異端者たち。ノイズとリバーブの海原に、実存的な苦悩をぶちまける無法者の詩人たち。
2010年、フィラデルフィアの寝室で始まったソロ・プロジェクトから、Nothing の音楽は常に人間のあらゆる感情を描き出してきた──怒りの轟音も、悲しみの囁きも。5作目のアルバムであり、Run For Cover Records 移籍後初となる『A Short History of Decay』は、そのスケールをさらに拡張し、これまでで最も高解像度な NOTHING を提示している。これほどまでに壮大で、これほどまでに親密で、これほどまでに正直な Nothing は、かつてなかった。
ギタリストのドイル・マーティン(Cloakroom)、ベーシストのボブ・ブルーノ(Best Coast)、ドラマーのザカリー・ジョーンズ(MSC, Manslaughter 777)、そしてサード・ギタリストのキャム・スミス(Ladder To God / Cloakroom)という、これまでで最強の布陣を得たフロントマンのドメニク “ニッキー” パレルモは、バンド史上最も野心的な作品を作る力を手にしていた。Whirr のギタリスト、ニコラス・バセットとの共作・共同プロデュースに加え、Sonny Diperri(DIIV, Julie)が追加プロダクションとミキシングを担当。
その結果生まれた『A Short History of Decay』は、Nothing のディスコグラフィの中でも最も進化した音楽的声明となった。「Cannibal World」や「Toothless Coal」といった楽曲は、機械的でインダストリアルなサウンドを纏った破壊的シューゲイズの極致であり、まるで My Bloody Valentine をさらに過激にしたような響きを持つ。一方で、「Purple Strings」はハープ奏者であり NOTHING の常連コラボレーターでもあるメアリー・ラッティモアを迎えた、美しくも陰鬱なストリングス・アレンジを聴かせる。
このバロック的な繊細さは、「The Rain Don’t Care」──Mojave 3 のような擦り切れた優雅さを漂わせるバラード──や、「Nerve Scales」──Radiohead を思わせる異世界的な空気と緻密な精度の融合──といった曲にも息づいている。パレルモはこの新作を “最終章” と呼ぶ。それは NOTHING の終わりではなく、2014年のデビュー作『Guilty of Everything』から続く物語の完結だ。時間、後悔、そして不都合な真実に向き合う──その旅の果てに辿り着いたのが、『A Short History of Decay』。それはパレルモ自身の過去を写し出すと同時に、NOTHING の未来への飛躍を示す作品でもある。













