鬼才 Tyondai Braxton、ニューアルバム『Splayed Werks』をリリース!

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元Battles の鬼才 Tyondai Braxton (タイヨンダイ・ブラクストン) が、ニューアルバム『Splayed Werks』を 8/21 リリース!Tyondai Braxton がニューアルバム『Splayed Werks』をリリースする。2022年のシンフォニック作品『Telekinesis』以来となるフルレングスであり、UKの Erased Tapes から発表する最初の作品でもある。70分を超える本作には全15曲を収録。これまで Braxton が手がけてきた長尺で構築的な作品とは異なり、多くの楽曲が5分以内に収められている。電子音響、サウンドデザイン、リズム、アンビエンスを行き来しながら、より断片的で流動的な構成へと踏み込んだ作品だ。

『Splayed Werks』ストリーミング

アルバムには近年制作された新曲を中心に、過去10年ほどのあいだに書かれた楽曲も収録されている。2022年の「Dia / Phonolydian」、2023年の「Multiplay」といった既発シングルに加え、「Salt Point」、2018年の「4 Zones」、2021年の「K Space」などを再編集。ロンドンの Metropolis Studios で Matt Colton がリマスターを担当し、長い時間をかけて形成されてきた楽曲群をひとつの作品としてまとめ上げている。そのため『Splayed Werks』は単なる過去作品のコンピレーションではない。2018年から2025年にかけて生まれた素材を、2026年の視点から再構成したアルバムであり、Braxton 自身の創作の変化を記録した作品でもある。

サウンド面では、ダンスミュージックとミニマルな電子音楽の中間を行き来する。Aphex Twin や Autechre に通じるIDM的な感覚から、Mica Levi や Laurel Halo のような現代的な電子音響までを想起させつつ、クラブミュージックそのものには収まらない独自のリズム感覚が際立つ。例えば「Oslo」はローファイでダブ的な質感を持ち、「UnFS」ではベースシンセと不規則なシャッフルが絡み合う。一方、「Realistic Water」はビートレスながら攻撃性と恍惚感を併せ持つ短編で、アルバムの振れ幅を象徴するような楽曲だ。

2つの「Multiplay」では細かな電子音が層を成し、リズミックな遊びからドローン、ノイズへと移行していく。そこに鳥の声が加わることで、人工的なサウンドと自然音が奇妙なバランスで共存する。「Nimble FX」では細かく途切れるリズムと大きなシンセサウンドが交差し、対照的に「4 Zones」や「K Space」といった長尺曲では、より広がりのあるサウンドデザインが展開される。こうした作品の背景には、Braxton自身の生活環境の変化もある。かつて音楽教育の制度に距離を置いていた彼は、2022年から Princeton University で作曲を教える立場となった。父親となり、大学で教え、自宅スタジオを制作の中心に据える現在は、かつてのように委嘱作品やコラボレーションを追い続ける生活とは大きく異なっている。

その変化は『Splayed Werks』の制作姿勢にも表れている。大きな構想を先に決めるのではなく、アイデアを試し、完成したものを過度に神聖視せず、その都度形にしていく。その結果、本作には緻密さと即興性、暗さと軽やかさ、人工的な電子音と有機的な質感が同居している。Braxton はこれまで、Battles の共同創設者として活動し、Philip Glass とのデュオ公演や、Bang on a Can All-Stars、Alarm Will Sound、Third Coast Percussion、Brooklyn Rider、Yarn/Wire といった現代音楽アンサンブルのための作品も手がけてきた。また、HIVE プロジェクトでは Guggenheim Museum や Sydney Opera House、Big Ears Festival などでもパフォーマンスを行っている。

電子音楽、現代音楽、クラブカルチャー、サウンドインスタレーションといった複数の領域を横断してきた Braxton にとって、『Splayed Werks』はそのキャリアを総括する作品というより、現在地を示す新しい出発点といえる。本人は完成した作品について、毎回それが何なのか自分でも驚かされると語っている。完成して初めて作品固有の人格や空気が見えてくるという。『Splayed Werks』もまた、長年にわたって蓄積された断片が最終的にひとつの独立した存在へと変化した作品だ。2026年の Tyondai Braxton がどこに立ち、どこへ向かおうとしているのかを、これまで以上に率直に映し出している。

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