USボルチモアのハードコア・バンド Turnstile が NPR Musc の人気企画 Tiny Desk Concert に登場!カーペットからオフィス家具への軽やかな跳躍。集まった観客を一瞬で見渡す。二歩進んで、飛び上がりバレルロール。Brendan Yates は、Tiny Desk 史上初となるステージダイブ、そしてそのままのクラウドサーフを、アスリートのような優雅さでやってのけた。こうして Turnstile のコンサートは幕を閉じたが、その前にはピアノやホーンセクションを取り入れた、ハードコア・バンドの多彩なサウンドを大胆に再構築したパフォーマンスが繰り広げられた。
15年前の結成以来、Turnstile は常にアクセスしやすくも難解な影響源を自らの音楽へと昇華してきた。根底にあるのはハードコア・パンクのスピードと爆発力だが、音色や質感、リズムのパレットで遊び続ける衝動が、ボルチモア発のこのバンドを常に落ち着かせない存在にしている。今回、ここで披露されたのが最新作『NEVER ENOUGH』からの曲のみというのは、今年最大のハードコア・アルバムの光沢感への忠実さを示すかのように思えるが、それは実は巧妙な仕掛けにすぎなかった。
ミドルテンポのロック曲は狂気じみたピアノ・バトルへと姿を変え、パンクの激曲はスカンキングを交えたスリリングな遊園地の乗り物に早変わり。ジャングル・ポップの憂鬱さはモータウン的な瞬間転換を経て、ホーンを全面に押し出したソウル・レビューへと踊り込む。アンセムは内省的なバラードに変貌し、その中で Yates は家族、友人、そして「個人的なヒーロー」への心からの感謝を伝える。Turnstile の音、動機、ヴィジョンを理解したと思った瞬間に、また新たな変身が訪れるのだ。