Little Simz、フランス・パリの没入型デジタルアートセンター Atelier des Lumières (アトリエ・デ・リュミエール) で行われたフルライブ映像が公開！イギリス・ヒップホップの王座に上り詰めた Little Simz が、6作目となるアルバム『Lotus』で新たな影響を大きく取り入れています。彼女はこの生々しくも親密な作品を、Atelier des Lumières での「Passengers」で披露してくれました。
ここ数年、イギリスが世界的なラップシーンの一大拠点となっているのは周知の事実でしょう。ロンドン発のグライムやドリルに注目が集まる一方で、2010年代初頭から首都のラップ・シーンの音楽的幅を広げ続けてきたアーティストがいます。その人物こそ、Little Simz です。ロンドン北部出身の彼女は、Kendrick Lamar に通じるジャズ的要素や、自身のナイジェリアのルーツから影響を受け、洗練された音楽を創り出してきました。鋭く磨き抜かれたリリックと外科手術のように正確なフロウがそれを支えています。
これまでに5枚のアルバムを発表した彼女は、イギリス音楽シーンの頂点にまで上り詰め、4作目『Sometimes I Might Be Introvert』では名誉あるマーキュリー賞やブリット・アワードを受賞しました。しかし、その道のりは順風満帆ではありませんでした。音楽業界に失望し、一時は引退を考えたことも。さらには、かつてのプロデューサーで幼なじみでもある Inflo との金銭的トラブルも経験しています。
とはいえ、不運もまた創作の糧。こうした体験からインスピレーションを得て生まれたのが、2025年に発表された6作目『Lotus』です。これまでで最も内面的でパーソナルなアルバムとなった本作では、彼女の多様な音楽的影響が再び融合し、ときにはポストパンク的な領域にまで踏み込んでいます。まさに「独立宣言」とも言える一枚を、Little Simz は「Passengers」で披露するためにアトリエ・デ・リュミエールにやってきたのです。
