ロンドンのデュオ NEW YORK、ニューシングル「together」を untitled (recs) からリリース!

|

ロンドンを拠点に活動するデュオ NEW YORK が、ニューシングル「together」を untitled (recs) からリリース!NEW YORK という名前は Google ではほとんど検索不可能かもしれないが、そのサウンドは刺激的で、実験的ポップ・シーンの中でも群を抜いて独自の存在感を放っている。

このロンドン拠点のデュオは、アメリカ出身の Coumba Samba(クンバ・サンバ) とエストニア出身の Gretchen Lawrence(グレッチェン・ローレンス) によって構成されており、不穏なエレクトロニック・ミュージックに、無表情で異様な加工を施されたボーカルを組み合わせたサウンドを生み出している。

彼らのデビューアルバム『No Sleep Till NY』は、2022年に発表された中でも最も注目すべき作品のひとつだった。冷たいエレクトロ、体を揺らすレゲトンのビート、そしてあけすけで過激なリリックを融合させ、中毒性の高いパッケージとして完成されている。ローレンスとサンバはともに20代で、まず第一にビジュアル・アーティストとしての活動で知られている。ロンドンの Arcadia Missa、Galerina、Emalin といったギャラリーで作品を展示してきた実績もある。

そのバックグラウンドはライブにもよく表れている。昨年、Matador から注目を集める Bar Italia のサポートアクトとして出演した際には、観客の真ん中に立てられた一本のスポットライトの下で、開いたノートPCとペットボトルの水の横で歌い踊るという、演劇的かつコンセプチュアルなパフォーマンスを披露した。

『No Sleep Till NY』以降は、シングル「Night N Day」をリリース。この曲では、Ladytron の2000年代エレクトロクラッシュの名曲「Seventeen」のフックを取り入れ、脈打つような水中的ダブトラックへと再構築している。

この曲や『No Sleep Till NY』に収録された「Skinny Jeans」を聴けば、サンバとローレンスを、昨今議論されている「インディ・スリーズ(indie sleaze)」のリバイバルの一派に位置づけたくなるかもしれない。だが、NEW YORK はそれ以上に賢く、捉えどころがない存在であり、安易に時代の空気に当てはめられるようなアーティストではないのだ。

関連記事
イベント情報