Air、NPR Music の人気企画 Tiny Desk Concert に出演したパフォーマンス映像が公開!

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フランスのエレクトロ・デュオ Air、NPR Music の人気企画 Tiny Desk Concert に出演したパフォーマンス映像が公開!Air の音楽が放つ “肩の力が抜けたクールさ” は、決して簡単に生み出されているものではない。レコード作品でも映画のサウンドトラックでも、このフランスのエレクトロニック・デュオは、不安に満ちた夢を、綿菓子の雲から紡ぎ出された交響曲へと変えてしまう。

音は軽やかでありながら、感情はずっしりと重い。しかし、Air のメンバーがライブで演奏する姿を見ると、そのすべてが驚くほど自然で、たやすそうに見えるのだ。Nicolas Godin と Jean-Benoît Dunckel は近年、Air のカタログ作品を振り返りながら、デビューアルバムのアニバーサリー・ツアーを続けている。Air のブロック体ロゴが刻まれたシンセやキーボードに囲まれながら、Tiny Desk での演奏は、1998年の名作『Moon Safari』に収められた、ピアノ主導の宇宙的ファンタジア「Le Voyage de Pénélope」で幕を開ける。

続いて披露されるのは、『Talkie Walkie』収録の「Cherry Blossom Girl」。ほのかな不穏さを秘めた甘美なラブソングが、アコースティック・ギター、控えめなローズの旋律、そして親密なハーモニーだけという、そぎ落とされたアレンジで演奏される。正式リリースから25年が経った今も、ソフィア・コッポラ監督のデビュー作『The Virgin Suicides』のために Air が手がけたスコアは、きわめて個人的でありながら普遍的でもあるノスタルジアを呼び起こし続けている。

NPR Music に寄せたエッセイで、作家のポーラ・メヒアはこのサウンドトラックについて、「登場人物が身を置くための雰囲気作りにとどまらない音楽を目指す、映画音楽家にとっての参照点になった」と評している。Tiny Desk の向こうで「Highschool Lover」と「Dirty Trip」を演奏する Air を見ていると、一種の集合的記憶が立ち現れる。それは映画そのものの記憶ではなく、私たち自身の10代の頃――片思い、気まずい出会い、言葉にできなかった感情を、ふたたび追体験するような記憶なのだ。

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