NYを拠点に活動するアーティスト Scarlet Rae、新作EP『No Heavy Goodbyes』を Bayonet Records から 9/16 リリース!ニューシングル「The Reason I Could Sleep Forever」のミュージックビデオを公開しました。ロサンゼルス生まれで現在はニューヨークを拠点に活動するアーティスト、Scarlet Rae は、2020年にソロとしての楽曲発表を開始しました。彼女はすぐに、控えめなアコースティック楽器の響きにシューゲイズ的な陰り、そして囁くようなエフェクトに包まれたボーカルを融合させた独自のスタイルを確立します。初めて彼女の作品を聴いた人には突然現れたように思えるかもしれませんが、実際にはティーンの頃からさまざまなプロジェクトで活動してきた経験豊富なミュージシャンでした。
ニューシングル「The Reason I Could Sleep Forever」のMV公開!
Rae は音楽的感性を共有する家族のもとで育ち、幼い頃からギターを学ぶよう勧められます。その結果、父の演奏の前座としてロサンゼルスのバーに立ったり、姉と一緒にコンサートへ行ったりするようになりました。高校生になる頃には、インディー・フォーク・バンド Rose Dorn のフロントを務め、ロサンゼルスのDIYシーンで人気を博します。彼らのセピア色に染まったデビュー作『Days You Were Leaving』は2019年に Bar None Records からリリースされました。
2020年、カリフォルニアからブルックリンへの移住は、Rae に創作的なリフレッシュをもたらします。家賃の安さと新型コロナによるロックダウンの孤立感が、Rose Dorn で忙しく過ごしていた頃には手をつけられなかった楽曲制作に集中するきっかけとなりました。まだ18歳になったばかりの彼女が制作した初期シングル「Parachute」と「Going Through」は、ロサンゼルスでの経験を活かし、東海岸の注目アーティストたちとの交流にもつながりました。パンデミック規制が解除されると、彼女はライブ活動を本格化。bar italia のライブメンバーとしてマイアミやメキシコシティ公演に参加し、オルタナポップ・アクト Sedona のサポートツアーや Fantasy Of A Broken Heart、Bloomsday、CFCF らとの共演も果たしています。
先行シングル「Bleu」のMV公開!
2024年末、Rae は Bayonet Records(Mei Semones、Beach Fossils、Being Dead などを擁する)との契約を発表し、同レーベルからの初シングル「Bleu」をリリース。Stereogum はこれを Alex G と比較し、FADER は「複雑に絡み合う感情を見事な落ち着きで乗りこなす」と評価しました。そして新作EP『No Heavy Goodbyes』は、長く続いた創作の停滞を抜けた直後の勢いで生まれた作品です。これまでのスタイルを踏襲しながらも、よりざらついた質感と物語性の鋭さを増しています。TikTokで披露したアンプラグドの断片をもとに5曲を練り上げ、ブルックリンの自宅でデモを制作。ロサンゼルスで Jordan Lawlor(M83、Oberhofer)と共に磨きをかけ、ほとんどのパートを自ら演奏しました。インスピレーション源として Placebo を挙げています。
『No Heavy Goodbyes』全編で、エルフのような繊細な声は鋭利なディストーションの壁と対比されます。テーマは「受容」「孤独」「喪失」。大切な存在を失った困難な時期に浮かび上がった感情が土台となっています。2024年12月に先行配信された「Bleu」は、鋭くも魅惑的な本作の雰囲気を予告するものでした。響き渡るギターとシンセの装飾に包まれ、彼女は亡ききょうだいへの numb(感情の麻痺した)オマージュを捧げます。オープニング曲「A World Where She Left Me」では、死別直後の初期の悲しみと、押し寄せる注目の中で距離を求める心情を一方的な会話形式で描きます。「The Reason I Could Sleep Forever」では、消えたいという衝動を美化することなく、その背景にある心の疲弊を正直に表現。
『No Heavy Goodbyes』は、痛みを恐れず言葉にし、荒々しいテーマを幽玄で魅惑的な音像に包み込む――そんな脆くも力強い震えを湛えた作品です。