1990年代初頭を中心に活動していたUKレディングの伝説的なシューゲイザー・バンド、Chapterhouse(チャプターハウス)が、キャリア初となる音源を収めた新EP『White House Demos』を Sonic Cathedral から 5/9 リリース!このEPより未発表曲「See That Girl」のミュージックビデオを公開しました。
このEPに収録された4曲は、1989年1月15日にイングランドのウェストン=スーパー=メアにある The White House スタジオで録音されたもの。当時、彼らはまだ4回しかライブを行っていない新しいバンドでしたが、この音源には Loop や Spacemen 3 といったバンドに影響を受けた、彼らのよりヘヴィでサイケデリックな初期の姿が表れています。
これらは僕たちがバンドとして最初に書いた曲なんだ。当時のライブでは、Stooges や60年代のガレージ・サイケのカバーを演奏しつつ、それにオリジナル曲を混ぜていました。
と語るのは、ボーカル兼ギターのスティーブン・パットマン。この楽曲群は2023年に発売されたキャリア集大成ボックスセット『Chronology』には含まれていませんでした。理由は単純に「忘れられていた」からです。発掘のきっかけとなったのは、Slowdive のギタリスト、クリスチャン・サヴィルの働きかけでした。スティーブンによれば、
ボックスセットが出たとき、クリスチャンが連絡をくれて、“あのデモ、覚えてる?” って言ってくれたんです。彼は多分、僕がカセットを最初に渡した相手だったと思う。彼はいまでもホワイト・ハウス・スタジオでリハや録音をしていて、“もしかしたらエンジニアのマーティン・ニコルズがアーカイブに残してるかも”って言うんです。結果、残っていました。
EPに収録された4曲のうち、『Ecstasy』はこれまでに様々な編集盤で異なるバージョンが出回っていたものの、フルの8分バージョンがリリースされるのは今回が初めて。『Guilt』の別バージョンは1991年のデビュー作『Whirlpool』に収録されており、シューゲイザーの名盤として知られています。『Die Die Die』も同アルバムの12インチボーナス盤に収録され、しばらくライブでも演奏されていました。
そして最大の注目は、これまで一度もリリースされたことのなかった楽曲『See That Girl』。36年の時を経てなお、その音はまるで「失われたクラシック」とも呼ぶべき完成度で、『White House Demos』はまさに時を閉じ込めた記録と言える作品になっています。