Sam Prekop、ニューアルバム『Open Close』を Thrill Jockey から 9/26 リリース!

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The Sea and Cake のメンバーでシカゴを拠点に活動するミュージシャン Sam Prekop (サム・プレコップ)、ニューアルバム『Open Close』を Thrill Jockey から 9/26 リリース!先行シングル「Light Shadow」を公開しました。Sam Prekop がこの30年間にわたりギターやモジュラーシンセで制作してきた作品は、その力強いメロディー性、繊細なアレンジ、そして微細に変化する構成において一貫した魅力を持っています。Sam Prekop のメロディー、印象派的なリリシズム、そして静かに複雑なリズムの融合は、The Sea and Cake の唯一無二のサウンドの核でもあります。

2010年の『Old Punch Card』以降、Sam Prekop はモジュラーシンセと電子的な空気感の探究に本格的に取り組み、その手腕は音からすぐに彼だとわかるほどに洗練されました。彼の作品は実際に動きを感じさせ、ハーモニーは微細なディテールとともに花開きます。緻密な制作を通して、Sam Prekop は感情を伝えることができるのです。芸術家としての探究心を持つ彼の視線は、シンプルさの中にある美と複雑さを明らかにすることに向けられています。

『Open Close』は、ライブパフォーマンスの流れとエネルギーを熟練の職人の視点で捉えたアルバムで、直感的な作曲と可能性の興奮とが均衡する作品です。本作の楽曲の多くは、Sam Prekop がソロ、あるいはララージとの共演のためのライブに向けて準備する中で作曲されました。彼は2020年のアルバム『Comma』や、ジョン・マッケンタイアとのコラボ作『Sons Of』のリリース以降、新たなアプローチを模索してきました。そこではリズムに重きを置いた構築が取り入れられ、新鮮で刺激的な方向性へと進化を遂げています。

『Open Close』では、モジュラーシンセによる初期作『Old Punch Card』の抽象的なテクスチャーノイズと、彼が得意とする豊かなシンセサウンドの風景とが融合しています。

モジュラーの強みは、興味深く、予測できないテクスチャー要素を加えることにあると思っています。でも、それは対話の一部に過ぎません。他の音や声にエネルギーを与える役割もあるんです。私が最近惹かれている安定したリズムのパルスと重ね合わせることで、それらの要素の対比は、抽象の中の建築のような形を作り出していきます。正確にレイヤーを重ねることで、それが成り立つのです。

『Open Close』の音楽は、テクスチャーの組み合わせとメロディーの展開において、驚くほど多様な表情に満ちています。タイトル曲「Open Close」や中心曲「Light Shadow」のような長尺の楽曲では、音の都市が築かれ、ステレオ空間を彩る煌めく要素が密集しています。

このアルバムで描かれる音の世界は、Sam Prekop にとって最も豊かで、最もリッチなコンポジションとなっていますが、それでもこれまで以上に広がりと余白を感じさせます。即興演奏者のための空間を作るかのように、各楽曲には個性的な音が流れ込み、メロディックな動きを生み出します。その周囲を取り巻くのは、美しく渦巻く装飾音の数々です。

Sam Prekop は予測可能性と驚きのバランスを巧みに操り、ハイハットのリズムやキックの重みが、様々な音風景を横断するパーツ同士をつなぎます。たとえば「Open Close」では、疑問符のような音の挿入があり、やがてうねるようなリズムに溶け込んでいきます。「Para」は重低音の中をマグマのように滑らかに進み、フレンチホルンのようなうねりが遠くにきらめきます。「A Book」はリズムで幕を開け、その後はポリリズムと穏やかなアルペジオの中へとほどけていきます。

Sam Prekop の音楽は、彼の独特な好奇心と、それを洗練されたサウンドへと昇華する能力によって形作られています。『Open Close』というアルバムタイトルにも、その創作プロセスと、作品全体で構築される世界観が反映されています。

単純な言葉ほど、少し考えるだけで複雑になるのが好きなんです。Open Close も、‘あなたに近い(close)’ という意味にもなるし、‘ドアを閉める(close)’ という意味にもなる。意味がすぐに伝わりすぎてしまう言葉には、あまり惹かれません。

『Open Close』に収録されたそれぞれの動きは、シンプルなジェスチャーの中に新たな複雑さを孕み、Sam Prekop の丁寧なアレンジによって導き出されます。本作は、精密に配置された合成音から人間味ある新たな響きを掘り起こし、テクスチャーとリズムの微妙な対比が、自由で流動的な音響の祝祭として立ち上がっていくのです。

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