Tame Impala、NPR Music の人気企画 Tiny Desk Concert に出演したライブ映像が公開！ケヴィン・パーカーのチームから返ってきた言葉は、たった二つだった──「オール・アコースティック」。私は呆然とした。ただアコースティック編成の Tame Impala という発想に驚いただけでなく、バンドが本物の Tiny Desk で演奏するという事実にも驚かされたのだ。

2020年、Tame Impala は自宅からの Tiny Desk (Home) Concert で、ギリギリのラインを踏み越えるほどの演出を披露していた。だが今回、NPR本社のスタジオでは、パーカーとメンバーはある程度の“コントロール”を手放さざるを得なかった。「とりあえずやってみて、どうなるか見てみよう」とパーカーは私に言った。

制作面から見れば、Tame Impala はこれまであらゆる挑戦をしてきたが、“アコースティック” だけはまだだった。とはいえ、これまでの作品群の中にも、そして新作『Deadbeat』の中にも、今回のような空間にぴったりと馴染む曲はいくつもある。「Loser」はほとんどギターだけの構成だし、「Dracula」のライブ初披露版は見事に再構築されており、バンドのハーモニーとパーカー特有のファルセットが際立っている。普段は少なくとも少しのリバーブがかかっているその声を、生で聴くことができるのは珍しい。

このパフォーマンスは、シンプルさが魅力だった初期の Tiny Desk を思い出させた── “少ないほど豊か” だったあの時代を。