実験的エレクトロ・デュオ Matmos、ニューアルバム『Metallic Life Review』を 6/22 リリース!

2025.05.18

実験的エレクトロ・デュオ Matmos、ニューアルバム『Metallic Life Review』を  6/22 リリース!

現在はボルティモアを拠点に活動する実験的エレクトロ・デュオ Matmos (マトモス)、ニューアルバム『Metallic Life Review』を Thrill Jockey Records から 6/20 リリース!Matmos の独自の作曲アプローチは、彫刻の創作に似ています。各アルバムを構成する驚くほど精緻なパーツは、特定のコンセプトに基づいて慎重に選び抜かれた音によって構成されています。ドリュー・ダニエルとM.C.シュミットのデュオは、ジャンルや期待にとらわれない音楽を生み出し、「電子音楽とは何か」という常識を打ち砕き、それが「他に何であり得るのか」を問い直しています。

収録曲「Changing States」のMV公開!

最新作『Metallic Life Review(メタリック・ライフ・レビュー)』では、「金属の音」で何が可能なのか?という問いに挑んでいます。いわゆる「ファウンド・サウンド」「ミュージック・コンクレート」「テクノ」「グリッチ」、さらには「メタル」といったジャンルの制約を無視し、未知の領域へと踏み出すことで、Matmosはその答えを喜々として提示しています。彼らの冒険心と探求心を支えているのは、真に豊かな感情であり、不安や困難な瞬間にも目を背けることなく、プロジェクトごとの制約の中に生きる人間的な経験の幅を全面的に抱きしめています。

収録曲「The Rust Belt」のMV公開!

『Metallic Life Review』では、過去作『Plastic Anniversary』でのプラスチック、『Ultimate Care II』での洗濯機といった「日用品を音源にする」シリーズの延長として、今作ではすべての音を金属から得ています。青銅、銅、鉄、アルミニウム、そして多種多様な合金の音を使っており、それらは彼らの長年にわたる活動の中で世界各地からフィールド録音されたものです。この「ライフレビュー」は、彼らの共同生活や収集の旅を記録し、まるでカササギが集めた宝物のような音をリズムやメロディ、あるいはただの音そのものとしてコラージュしています。丹念な収集の後に現れるのはADHD的な編集。精密に作られながらも、うっかりすれば細部を見逃してしまう。ハードなインダストリアル・ノイズと甘美な旋律との間の強いコントラストによって、Matmosは逆説的に「金属の屑から生まれる非常に美しい音楽」へとたどり着いています。

「ライフレビュー」という言葉は、臨死体験をした人々が語る心理的現象――「自分の人生が走馬灯のように駆け巡った」という感覚――を表すために使われます。今作『Metallic Life Review』は、まさに Matmos のキャリア全体を早送りで再生するようなサウンド・レビュー。鍋やフライパン、何十年も前のツアーで録音されたドアの擦れ音、そしてパリのINA/GRMスタジオで使用された古い磁気テープリールなど、彼らの人生の金属音を網羅しています。アルバムのミキシングを終えた頃、死というテーマが自然とアルバムに織り込まれていることに気づいたと彼らは語ります。ダニエルは次のように述べています。

地下墓地で録音した鉄製の門のきしみ音、墓地の門の音、そして作曲中に亡くなったスーザン・オルコーンやデヴィッド・リンチ――彼らの死が完成と同時に重なった、スーザンとは彼女が亡くなる前にすでに曲を完成させており、『Changing States』を彼女に捧げています。デヴィッド・リンチのアーティストとしてのあり方も私たちに影響を与え、『The Chrome Reflects Our Image』を彼に捧げました。

今作には、スーザン・オルコーンによるペダルスティール、オーウェン・ガードナーのグロッケンシュピール、スワンズや Water Damage のソー・ハリスのドラム、Half Japanese のジェイソン・ウィレットのギター、そしてジェフ・キャリーのアルミ缶(溶かして棒に成形し、弓でこすったり叩いたりして演奏)が参加しています。

最も劇的な変化は、アルバムB面全体がスタジオでの「ライブ録音」である点。これは Throbbing Gristle の『Heathen Earth』に倣った手法で、スタジオで即興的に演奏しながらカオスの中からパターンが現れ、それが崩れてまた新しい構造が生まれる様子を初めて記録しています。作曲の緻密さと即興性の遊び心が絶妙に融合し、ライブでしか得られない高揚感が封じ込められています。『Metallic Life Review』は、好奇心に満ちた人生が音へと変容した「音のラブストーリー」。果てしない探究心によって生まれた、魅惑的で、知的で、そして感情的に深く響く作品です。Matmosはまたしても、魔法のようなアルバムを生み出しました。

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