interview :
台湾ドリームポップ・バンド The Fur. インタビュー

台湾・高雄市を拠点に活動する男女4人組ドリームポップ・バンド The Fur. (ザ・ファー) 最新インタビュー。新人ながらイギリスのフェス FOCUS Wales や、スペイン最大のロックフェス Primavera Sound への出演も果たし、同時にイギリス~ヨーロッパツアーを行うなど、台湾のバンドとしては Sunset Rollercoaster らに続き海外でも活動の場を広げている。日本では 2670records からリリースし、本国台湾ではノイズポップ・バンド Manic Sheep の元ギタリストが立ち上げたレーベル Airhead Records から 10/3 にリリースしたばかりのデビューアルバム『TOWN』についてなど語ってくれました。

デビューアルバムとなる『Town』を10月3日、Airhead Records と 2670records からリリースしましたね。自分達のフルアルバムを作ってどのようなことを感じましたか?

Zero : 全体の工程がとても長く感じたよ。でも、実際にアルバム『Town』ができると、本当に胸が熱くなった。重要なミッションをやり遂げた感じがする。

ヨーロッパでのギグをすでに経験されていますが、どうでしたか?(例えば、UKの FOCUS Wales やスペインの Primavera Sound、ヨーロッパツアーなど)

The Fur.

Savanna : FOCUS Wales 2018 は私たちが参加した初めての海外フェスで、スペインの Primavera Sound はツアーの最後の地点だった。今回のツアーは忘れられないものになったし、非常に価値のあるものだった。私たちはみんな、称賛されているアーティストのライブを見ることからだけでなく、一緒に演った全てのギグからも多くのことを学ぶことができたと思う。素晴らしい刺激を得られた。

The Fur.

Zero : 僕らは今年の5月にツアーに行ってきたんだ。ちょっと忙しい旅になったけど全てが素晴らしかった。あちらの方の雰囲気や天気が恋しい(ちょっと寒いけどね)。ギグに来てくれた人と、ツアーを助けてくれた人達に感謝しているよ。

The Fur.

The Fur.

どうやって結成したんですか?

Wen wen : バンドコミュニティーの仲の良い友人から紹介された。バンドに加入する前は The Fur.の音楽のファンだった。

Zero : 僕は Savanna と最初に知り合った。その時から一緒にデモを作るのを始めた。その後、僕らはコンピレーションアルバムの選曲に参加し、その時にデモを1つの曲として完成させることになった。最初にできた曲は『Final Defense』。『Final Defense』の後は、ギグの誘いが来て Ren(現在のベーシスト)にバンドに加入したいかどうか聞くことを決めた。彼は僕の大学の友人なんだ。それまではあまり彼のことを知らなかったし、あまり話しかけることもなかった。なんで彼が入ってくれたのかさえわからない。思い出すとすごく笑える。Wen wen は友達の友達。彼女は僕らがヨーロッパツアーを予定している時にバンドに加入するのを決めた。決めたのはすごく早かったよ(多分ほんの30秒)。全ては突然だった。

いつもどのように曲を作っていますか? 誰がメインで曲を書いていますか?

Savanna : 私が曲と歌詞を下書きしてる。でも一番重要な作業は曲の構造を構築するためにどのように楽器をアレンジするかだと思う。その点では、Zero が重要な役割を担っている。色々話し合って最終的にデモを作った後、レコーディングの前に曲を再編曲・アレンジのチェックをしている。

Zero : 大抵、Savanna がギターとボーカルで曲を作っている。お互い遠いところに住んでいるということもあって、僕は大抵ドラム、シンセとベースを最初に作る。そしてその後ラフなデモを Wen wen と Ren が彼らのやり方でアレンジする。ほぼ実質的なデモを作った後は、僕は Savanna と何を追加するべきか、削るべきか、変えるかを話し合う。もちろん、最終的には一緒に曲を演ってもっと多くのアイディアを得られるかどうか試すこともある。

それぞれのルーツ・ミュージックを教えていただけますか? そしてどのように自分達の音を見つけましたか?

Zero : 僕の考えでは、音楽を作ることと音を作ることは多分僕の好きな様々なことから全て来ていて、単に特定のアーティストから来るものではない。例えば映画を見たり、TV番組を見たり、TVゲームをしたりとか。様々な種類のジャンルが好きだし、好みが多岐にわたるので何がルーツミュージックなのかと言うのは難しい。

Savanna : 私の場合は、多くの好きなアーティストが確かに作曲になんらかの形で影響している。私がインスパイアされたアーティストは James Brown のような人で、音楽の発展に貢献しただけでなく世界中のオーディエンスから注目されることに尽力したということが本当に素晴らしいと思う。シューゲイズがずっと好きで、Slowdive、Ride、My Bloody Valentine や Jesus and Mary Chain などがすごく好き。インディロックやポップでは、Mac Demarco や Unknown Mortal Orchestra など、全員は書ききれない。これはディープな問いだね。自分の音を見つけることは演奏するコードを聴いてそれを感じることで、乗せたい韻を見つけることかな。

どうやってバンド名を決めたのですか?

Zero : 僕は心地よくてリラックスできるような音楽を聴くのが好きなんだ。僕らの音楽からオーディエンスにも温かさや柔らかさを感じてほしいと思っている(余談だけど僕は猫や犬が好き)。それで『The Fur.』と名付けた。

Airhead Records と 2670records からどうやってアルバムを出すことを決めたのですか?

Savanna : 理由はシンプルだった。Airhead Records や 2670records から出すのが良いと思っただけ。そうするのが安心だと思ったから。

Wen wen : Airhead Records が合うと思ったから。イベントを開催するのも慣れているし。

Zero : Airhead Records の代表は YU なんだ。The Fur.をほとんどの人が知らない時に YU がやって来てたくさん助けてくれた。Airhead Records は僕らみたいなテイストの音楽をシェアしてもいる。

なぜアルバムを『Town』と名付けたか教えていただけますか?

Savanna : このアルバムの『Town』は基本的に私たちの生まれ育った故郷のことを言っている。このアルバムの中で、人間関係、愛や思春期の過程における継続的に満足を得ることへの欲求などについて歌っている曲を入れた。幼くあること、待っていること、期待することといった感情も表現している。私たちはこのような感情をストーリーが生まれ、通りを歩いている時にふと思い出が蘇る、私たちが住んでいる街のようだと結論づけた。

Zero : このアルバムは多様なテーマを含んでいる。成長の経験、待っていること、期待、元気づけることなど。街の中で聞こえて来るような話のように思えるかもしれない。大人になると多くのことを失うと言う人がいるーー我慢させたい人ーー答えのない答えが出るまで待たせたい人など。僕らは自転車に乗ってみんなにシーンを見せて、多分人々は通りの水たまりに思いがけず自身を映すだろう。

このアルバムの後の展望を教えていただけますか?メインストリームのリスナーにももっと聴いてほしいと思いますか?

Savanna : オーディエンスにシェアしたいことはまだある。もっと音楽をリスナーに届けるためにより多くの努力をしなければならない。

Zero : 僕の展望は人々が僕らの音楽を好きになってくれることで、それには満足できると思う。

最後に、最近のアジアのインディロックシーンをどのように見ていますか?

Savanna : 素晴らしいと思う。楽観的な考えを持っている。成長や変化がゆっくりだけれども、良い方向に変わっていっている。アジアのアーティストは特定の地域で活動するだけでなく、他の大陸にも活動範囲を広げることができる。例えば、DYGL、Sunset Rollercoaster、Mellow Fellow、Phum Viphurit とか、みたいに。私にとって彼らはより国際的なアーティストだと言えると思う。

Zero : 台湾のインディミュージックシーンは近年だんだんと良くなって来ている。少なくともライブに来ているオーディエンスからそれを感じることができる。やはりそれはすごく速いと言うわけではないけれども、多くの点で改善されたと思う。プロモーション力の不足で埋もれている素晴らしいアーティストも多い。より多くの人が可能な限りインディーミュージックを探すようになることを願っている。

インタビュー/翻訳 : Lisa Tominaga